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8月18日更新!掲載件数651件!

デザイン関連の補助金・助成金まとめ

補助金・助成金に影響する「中小ものづくり高度化法」

中小企業の技術の研究開発や、その成果の利用を支援する「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」があります。

日本の製造業の国際競争力強化や新規事業の創出に欠かせない、ものづくりに関わる中小企業を支援し、高度化を図る目的で、2006年に公布、施行されました。

この法に基づいた「特定ものづくり基盤技術高度化指針」は、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポーティングインダストリー:通称サポイン事業)等の申請に必要となる中小ものづくり高度化法の法認定の認定基準となるものです。

また、中小企業・小規模事業者のものづくり技術の高度化を促進するためのガイドラインとしての役割・機能を果たすものとなっています。

基盤技術にデザインが追加

この中小ものづくり高度化法には、特定ものづくり基盤技術を規定していますが、2014年に行われた見直しによって、「デザイン開発技術」が追加されました。

地域の中小企業・小規模事業者のイノベーションを支援するために、商品の価値を高める技術として、感性価値を創出する「デザイン開発技術」を支援するためです。

これによって、それまで情報処理に係る技術、精密加工に係る技術、製造環境に係る技術、接合・実装に係る技術、立体造形に係る技術、表面処理に係る技術、機械制御に係る技術、複合・新機能材料に係る技術、材料製造プロセスに係る技術、バイオに係る技術、測定計測に係る技術の11技術が基盤技術とされていたものが、デザイン開発に係る技術加え、12技術になりました。

さらに、2018年には、この12技術全ての指針を改正し、IoT・AI等の活用による技術開発の全体的な方向性を示し、中小企業自らによるIoT・AIの技術の高度化や、IoT・AI等を活用した中小企業自らの基盤技術の高度化を明示しました。川下分野には、介護や農業分野が追加されました。

各分野に共通するデザイン思考

改正のポイントとしては、それぞれの技術分野に共通する配慮すべき事項として、デザイン思考、アジャイル型の研究開発が掲げられています。内容は、「デザイン思考に基づくユーザーの潜在的な期待やニーズに対して、従来の概念にとらわれない形で検討を進めるプロセスの導入、川下製造事業者や市場の反応を試作品にフィードバックさせながら進める等のアジャイル型の研究開発の重要性」となっており、デザインを重視するユーザー傾向に対し、柔軟で臨機応変に対応する必要を示唆しているようです。

デザインは、その良し悪しが製品の売上に大きく影響することを指摘し、市場にもダイレクトに影響を及ぼす重要な技術なので、この点における高度化を課題としています。

デザインも補助金の対象技術に!!

中小ものづくり高度化法に「デザイン開発技術」が加わったことや、よりデザイン思考を推進する指針が出されたことで、補助金・助成金の対象事業にもデザイン開発技術が対象になりました。

中小企業庁が行っている補助金の「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」は、製造業、商業、サービス業を対象としたもので、これまでの累積採択数が最も多い補助金といわれています。

「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」

この補助金は、認定支援機関の全面バックアップを得た中小企業および小規模事業者が対象で、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善が条件となります。

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン2018」には、中小サービス業が生産性を向上させるための手法や方向性、事例が記載されています。

その具体的な手法として、以下の項目をあげています。

付加価値を上げる

  • 新規顧客層への展開
  • 商圏の拡大
  • 独自性・独創性の発揮
  • ブランド力の強化
  • 顧客満足度の向上
  • 価値や品質の見える化
  • 機能分化・連携
  • IT利活用(付加価値向上に繋がる利活用)

効率を上げる

  • サービス提供プロセスの改善
  • IT利活用(効率化に繋げるための利活用)

経済産業省「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」より

ブランド力強化に必要なデザイン

これらの手法のうち、デザインが特に大きく関わってくるのは、「ブランド力」の向上です。

適切なPR等によるイメージ戦略や、ビジネスモデルに関わるブランド戦略の策定にも大きく関わります。ブランド力は、信頼により培われるものであり、顧客がサービス・商品の価値や品質を体感・実感することで育まれます。また、信頼にもとづき、将来的に提供されるサービス・商品の質が約束されることでもあります。その信頼が醸成されることで、ブランドイメージが定着します。デザインやコンセプトは、その象徴となり、そのデザインそのものに顧客が価値を見出すようになります。

他にも、デザイン開発にかかる技術には、二次元的なものだけでなく、三次元的なデザインや機能美なども含まれます。製品そのものの形状や色彩、質感、使用感の向上、構造の最適化の設計、ブランドの創出など審美性の向上にかかる技術開発、空間等におけるユーザーエクスペリエンスへの配慮、ユニバーサルデザインなどのユーザビリティの向上など多岐にわたります。

補助金申請に必要なガイドラインの理解

これまで述べてきたように、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」の申請にあたっては、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」と「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」をしっかり理解しておくことが必要です。

自社が取り組もうとしているデザインに関する事業が、このガイドラインの内容に該当しているかどうか認定支援機関に相談して確認しておきましょう。